グリーン購入法とは?調達品目などわかりやすく解説
グリーン購入法とは?調達品目などわかりやすく解説

環境に配慮した商品やサービスの購入を促進するグリーン購入法は、持続可能な社会づくりに欠かせない制度です。国や地方公共団体が率先して環境負荷の少ない製品を調達することで、市場全体の環境配慮を促進します。本記事では、グリーン購入法の基本的な仕組みから具体的な導入方法まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
グリーン購入法とは?──「何のためにあるのか」を押さえる
グリーン購入法は、環境負荷の少ない製品やサービスの調達を推進することで、循環型社会の実現を目指す重要な法制度です。供給側だけでなく需要側からのアプローチにより、市場全体の環境配慮を促進します。
制度の正式名称と施行年
グリーン購入法の正式名称は「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」です。この法律は2000年(平成12年)5月24日に国会で成立し、同年5月31日に公布(平成12年法律第100号)され、2001年(平成13年)4月1日に全面施行されました。制定から20年以上が経過し、現在では日本の環境政策における重要な柱となっています。法律の制定背景には、環境問題の深刻化と持続可能な社会づくりへの社会的要請があります。
背景・目的をざっくり解説
グリーン購入法は循環型社会の形成において、再生品等の供給面の取組に加えて需要面からの取組が重要という観点から制定されました。国等の公的機関が率先して環境物品等(環境負荷低減に資する製品・サービス)の調達を推進することで、市場の需要転換を図ります。最終的には、持続的発展が可能な社会の構築を目指しており、公共調達を通じて民間企業の環境配慮製品開発を促進する効果も期待されています。
(参照:グリーン購入法に関する法律等|環境省)
対象者と調達品目──あなたは何をすべき?
グリーン購入法は対象主体によって義務レベルが異なり、特定調達品目も毎年見直しが行われています。自分がどの立場でどのような製品・サービスを対象にすべきかを正確に把握することが重要です。
対象主体:国・地方公共団体・民間企業の違い
グリーン購入法では、対象主体を国等の機関、地方公共団体、民間企業の3つに分け、それぞれ異なる責務を定めています。国、独立行政法人、特殊法人は環境物品等の調達を「義務」として推進する必要があります。地方公共団体は努力義務として、環境物品等の調達に努めることが求められています。民間企業や国民については、環境物品等への需要の転換に努める努力義務が課されており、強制力はありませんが社会的責任として取り組むことが期待されています。
押さえるべき「特定調達品目」3つのポイント
特定調達品目は現在22分野に分類され、定期的に見直しが行われています。第一に特定調達品目は、前年度の287品目から1品目増加し、22分野288品目(2025年度)に拡充されており、紙類、文具類、機器類、公共工事、役務など幅広い分野をカバーしています。第二に各品目には「判断の基準」が設けられており、環境性能の具体的な要件が明記されています。第三にエコマークなどの環境ラベル認証を受けた製品は、グリーン購入法適合の目安として活用でき、調達担当者にとって選択の指針となります。これらの基準は環境省が毎年公表する基本方針に詳細が記載されています。
(参照:グリーン購入の調達者の手引き|環境省)
(参照:特定調達品目及び判断の基準等の改定一覧|環境省)
導入ステップ──3ステップで始める方法
グリーン購入法の実践には体系的なアプローチが重要です。調達方針の策定から実績報告まで、段階的に取り組むことで確実に環境配慮調達を推進できます。
ステップ1:調達方針を明文化する
グリーン購入の導入では、まず組織としての調達方針を明文化することが重要です。環境省の基本方針を参考に、自組織の特性や規模に応じた調達方針を策定します。方針には対象品目の範囲、環境配慮の優先順位、実施体制などを具体的に記載し、関係者全員が理解できる内容にします。また、方針は年度ごとに見直しを行い、国の基本方針改定や技術進歩に対応して更新することで、常に最新の環境配慮基準に基づいた調達を実現できます。
ステップ2:環境負荷低減商品を選ぶコツ
環境負荷低減商品の選定では、グリーン購入法の判断基準を満たす製品を効率的に見つけることがポイントです。エコマーク認定製品やグリーン購入ネットワークの「エコ商品ねっと」などのデータベースを活用すると、適合商品を簡単に検索できます。価格だけでなく、ライフサイクル全体での環境負荷や総コストを考慮した評価が重要です。また、複数の環境ラベルを参考にしながら、自組織のニーズに最も適した製品を選択し、供給業者との連携を通じて継続的な調達体制を構築します。
ステップ3:実績報告の準備と手順
グリーン購入の実績管理では、調達品目ごとの調達実績を正確に記録・集計することが必要です。国等の機関は毎年度の調達実績を公表する義務があり、地方公共団体や民間企業も可能な範囲で実績の把握に努めます。記録には調達品目名、数量、環境配慮の内容、判断基準への適合状況などを含め、次年度の方針見直しに活用します。また、実績データは組織内での環境意識向上や、ステークホルダーへの環境取組の報告にも活用でき、組織の環境ブランド価値向上にも寄与します。
成功の秘訣&事例──具体的な成果をイメージ
グリーン購入法の成功には戦略的なアプローチと継続的な改善が重要です。実際の成功事例から学ぶことで、効果的な導入方法や期待できる成果を具体的にイメージできます。
コスト削減×イメージ向上:成功企業の事例
グリーン購入法の導入により、多くの組織が環境と経済の両面でメリットを実現しています。例えば、蛍光灯からLED照明に切り替えることで、消費電力を約60~70%削減できるため、長期的には電気代の大幅な節約が期待できます。このような取組により環境ブランド価値を向上させています。環境配慮製品は初期コストが高い場合もありますが、省エネ効果や長寿命により総コストが削減されるケースが多く見られます。また、グリーン購入の取組は組織の環境ブランド価値を大幅に向上させ、ステークホルダーからの信頼獲得や新規取引先の開拓にもつながります。さらに、従業員の環境意識向上により、職場全体の持続可能性への取組が活性化する効果も期待できます。
中小自治体の導入ポイントと注意点
中小自治体でのグリーン購入法導入では、複雑な基準を分かりやすく整理することが成功の鍵となります。函館市では平成28年度(2016年度)にガイドラインを大幅改訂し、手続きの簡易化と判断基準のシンプル化を図った結果、調達率が84.2%に達し、目標値85%に大幅に近づきました。職員への研修や意識啓発を定期的に実施し、環境ラベル(エコマークなど)を活用することで専門知識がなくても適合商品を選択できる仕組みを構築します。また、小規模自治体では全品目を一度に対象とせず、調達頻度の高い文具類や用紙類から段階的に拡大していくアプローチが効果的です。函館市のガイドライン改訂を契機に、他の自治体でも同様の手法を参考にしてグリーン購入方針やガイドラインを見直す動きが広がっています。
(参照:函館市環境白書|函館市)
まとめ:今すぐできるアクション
グリーン購入法は環境配慮調達の重要な指針として、20年以上にわたり機能しています。国・地方公共団体・民間企業それぞれの立場で、多岐にわたる特定調達品目から環境負荷の少ない製品を選択することが求められます。成功の秘訣は、調達方針の明文化、環境ラベルの効果的活用、段階的な実施です。函館市のような成功事例を参考に、まずは身近な文具や用紙から始めて、組織の環境ブランド価値向上とコスト削減を同時に実現しましょう。

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