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魚に蓄積するマイクロプラスチックの危険性とは?

魚に蓄積するマイクロプラスチックの危険性とは?

魚に蓄積するマイクロプラスチックの危険性とは?

海洋プラスチック汚染が深刻化する中、食物連鎖を通じて私たちの食卓に影響を及ぼす問題が注目されています。本記事では、魚への蓄積実態から健康への影響、そして私たちができる具体的な対策まで、最新の科学的根拠に基づいて詳しく解説します。

マイクロプラスチックとは?基本知識と分類

マイクロプラスチック問題の深刻さを理解するために、まずはその定義と発生メカニズムを正確に把握しておきましょう。

マイクロプラスチックの定義とサイズ分類

マイクロプラスチックとは直径5mm以下のプラスチック破片を指します。これらは排水溝を通じ海洋に流出した後、さらに細分化されてナノサイズにまで微細化することもあります。その極小サイズゆえに、海水中のマイクロプラスチックを取り除くことは、ほぼ不可能とされています。マイクロプラスチックは化学的な完全分解が極めて困難です。紫外線や波浪による物理的作用で細分化されるものの、根本的な除去には至らず、海洋に長期間蓄積し続けます。

(参照:What are microplastics?|National Ocean Service

1次と2次マイクロプラスチックの発生源&海への流入経路

マイクロプラスチックの発生源は大きく2つに分類されます。1次的マイクロプラスチックは微小なサイズで製造されたプラスチックで、洗顔料や歯磨き粉などのスクラブ剤等に利用されているマイクロビーズなどが排水溝から海に流出します。一方、2次的マイクロプラスチックは、海に流れ込んだペットボトルやレジ袋などの大型プラスチック製品が、波の作用や紫外線により徐々に破砕・劣化して生成されます。

魚が”誤食”する仕組み──生態と調査データ

魚類がマイクロプラスチックを体内に取り込むメカニズムは複雑で、プランクトンとの誤認識や海水・淡水環境の違いによって影響を受けます。最新の研究では、魚種や生息環境によって蓄積パターンに大きな差があることが判明しています。

魚がマイクロプラスチックを誤食するメカニズム

小型魚類は主にプランクトンを餌としており、動物プランクトンがマイクロプラスチックを植物プランクトンと誤認して摂取することが食物連鎖の起点となっています。動物プランクトンが、エサである植物プランクトンと間違えてマイクロプラスチックを食べていることがわかっており、これが食物連鎖の起点となっています。微細化したプラスチック片は、生物にとって取り込みがいっそう容易になります。

淡水魚 vs. 海水魚:種類別・地域別の蓄積実態

魚種や生息環境によってマイクロプラスチックの蓄積パターンは異なります。一般的に底生魚は表層魚より蓄積量が多く、淡水魚と海水魚では生理的な違いにより体内動態が異なることが報告されています。一般的に、海水魚と淡水魚では生理状態の違いがあり、これがマイクロプラスチックの体内動態に影響を与える可能性があることが考えられています。この分野の研究は、マイクロプラスチックの有害性解明において重要な手掛かりとなることが期待されています。

(参照:Environmental exposure to microplastics: An overview on possible human health effects|Prata et al. (2020)

日本近海から世界の最新調査事例まで

長崎大学の調査では、東シナ海近傍の7種・計385個体の魚類を対象に消化管を解析し、平均0.36個/尾のマイクロプラスチックを検出しました。魚種別では、マサバにおいて63%の個体でマイクロプラスチック誤食が確認されています。ただし、魚種や採取海域により蓄積率は大きく異なるため、他海域で同率が再現されるとは限りません。このデータから、排出国のみならず広い範囲の海を漂う「国境がない」プラスチック問題の深刻さが浮き彫りになっています。

(参照:1尾あたり0.36個:東シナ海の魚類に含まれるマイクロプラスチック量が明らかに|長崎大学

人間の食卓にも影響?健康リスクの最前線

マイクロプラスチックは食物連鎖を通じて人体に取り込まれ、身近な存在となっています。人体への直接的な影響はまだ完全には解明されていませんが、最新研究では懸念すべき健康リスクが次々と明らかになってきています。

マイクロプラスチックに付着する化学物質の毒性

マイクロプラスチックには2つの毒性リスクがあります。1つは製造時の添加物、もう1つは海上で吸着する化学物質です。特に重金属(鉄、マンガン、亜鉛、銅など)やダイオキシン類などの有害物質を効率的に吸着することが報告されています。EFSAは2016年から評価を進めていますが、現時点では法的拘束力のある安全基準は未設定で、分析手法の標準化や実際の暴露データ収集が課題となっています。

微小粒子の体内移行と蓄積可能性

人体への影響を示す研究として、ボトル入り飲料水1Lあたり平均325個のマイクロプラスチック微粒子が検出されたと報告されています(例:Mason et al., 2018)。また、腸オルガノイド実験では高濃度のマイクロプラスチックが炎症マーカーの上昇を誘発し、メダカモデルでは一部のナノプラスチック粒子が消化管から血流を経て脳組織に到達することが示唆されました。ただし、これらは動物・試験管内モデルの結果であり、ヒトでの影響を評価するには臨床的エビデンスが必要です。複数の研究で、ヒトの血液や便、胎盤、肺、肝臓、腎臓などの組織や、母乳、精液からマイクロプラスチックが検出されています(例:Ragusa et al., 2021)。心臓組織への移行については、現時点でまだ明確な報告が限られています。

(参照:Synthetic Polymer Contamination in Bottled Water|Mason et al. (2018)
(参照:Plasticenta: First evidence of microplastics in human placenta|Ragusa et al. (2021)

食品安全基準はどうなっている?規制の現状

現在、日本では”使用禁止”とする法令は出されておらず、マイクロプラスチックに関する明確な食品安全基準は確立されていません。一方、世界各国では規制が進んでおり、EUでは2023年より意図的に添加されたマイクロプラスチックの使用を段階的に禁止、米国では2017年からマイクロビーズの製造・輸入を禁止しています。

(参照:Microplastic regulations in the EU – how to ensure compliance?|Measurlabs
(参照:Microbead-Free Waters Act of 2015|U.S. Microbead

すぐできる!消費者&事業者向け3つの対策

マイクロプラスチック問題の解決には、消費者一人ひとりの心がけに加え、企業による包装材の削減・代替素材開発、行政による規制強化や社会インフラ整備(例:資源回収システムの拡充)など、多層的な取り組みが同時並行で必要です。家庭での工夫から魚の選び方、さらには社会全体への働きかけまで、今すぐ実践できる具体的な対策をご紹介します。

家庭で始めるプラスチック削減の工夫

プラスチックごみのかなりの割合を使い捨て容器とレジ袋などの包装材が占めているため、マイボトルやマイバッグの持参といった具体策により総量をできるだけ減らすことで、マイクロプラスチック削減に貢献できます。「使い捨て」のものはできるだけ買わない、もらわないことを徹底しましょう。洗顔料や歯磨き粉に含まれるマイクロビーズを避け、天然成分のスクラブ剤を選択することも重要です。また、ポイ捨てされたごみ、特にレジ袋などの軽いゴミは飛ばされて簡単に海まで運ばれてしまうため、ゴミはルールにしたがって適切に出し、地域のクリーンアップ活動に参加することも効果的な対策となります。

魚を選ぶ際のポイント&おすすめ認証ブランド

魚を選ぶ際は、汚染の少ない沖合で獲れた魚を選ぶことが重要です。養殖魚と天然魚では飼育・生息環境により蓄積量が異なるため、産地情報を確認しましょう。持続可能な漁業を支援するMSC(海洋管理協議会)認証やASC(水産養殖管理協議会)認証を受けた水産物を選ぶことで、環境負荷の少ない漁業を支援できます。マイクロプラスチックの多くは魚の消化管内に留まるため、調理前に内臓を十分に除去し、筋肉部位のみを食べることで体内摂取量を抑制できます。また、魚種ごとの誤食率には差があるため、可能であれば研究成果(例:表層魚 vs. 底層魚の誤飲率)を参考に選ぶのも一案です。購入時は産地情報を確認し、汚染の少ない海域で獲れた魚を選択することも重要なポイントです。

企業・行政への働きかけ方法と最新政策動向

企業に対しては、プラスチック包装の削減や代替素材への転換を求める消費者の声を届けることが重要です。SNSやメール、株主総会などを通じて、環境配慮型製品の開発や脱プラスチック取り組みの推進を要望しましょう。行政に対しては、パブリックコメントや議員への陳情を通じて、マイクロプラスチック規制の強化や食品安全基準の策定を求めることができます。2019年にG20大阪サミットで共有された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」では2050年までに追加的な汚染をゼロにすることを目指しており、この目標達成のための具体的な政策実施を求める声を上げることが大切です。また、地方自治体レベルでのプラスチック削減条例の制定や、学校教育での環境教育の充実を働きかけることで、社会全体の意識改革を促進できます。

まとめ

マイクロプラスチック問題は深刻ですが、適切な知識と対策により魚を安心して食べ続けることは可能です。消費者レベルでの選択と行動、そして社会全体での取り組みにより、海洋環境を守り、未来の食の安全を確保できます。

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サステナブル紙パックミネラルウォーターのハバリーズは、ペットボトルと比較してプラスチック使用量を60%削減し、地球温暖化リスクを40%低減することが科学的に実証されています。FSC認証を取得した100%再生可能な紙素材を使用し、独自のリサイクル回収システムにより「紙から紙への再生」を可視化したサーキュラーエコノミーを実現しています。マイボトルとの併用により、より効果的なマイクロプラスチック削減が可能となります。詳しくはハバリーズ公式サイトをご覧ください。