紙製容器包装とは?マークや捨て方、リサイクルも
紙製容器包装とは?マークや捨て方、リサイクルも

日常生活で目にする各種容器や袋、どれが「紙製容器包装」に分類されるのかご存知ですか?スーパーの紙袋やお菓子の箱など、多くのこうした製品が私たちの生活に溢れています。これらの適切な分別とリサイクルは、資源の有効活用と環境負荷軽減に大きく貢献します。本記事では、紙製容器包装の定義、識別マーク、正しい分別方法、リサイクルまで基本情報を解説します。
紙製容器包装の定義と対象範囲
紙製容器包装は私たちの日常生活で頻繁に接する資源ごみの一種です。容器包装リサイクル法で定められた区分に基づき、適切に分別することが求められています。
「紙製容器包装」とは何か
紙製容器包装とは、商品を入れる「容器」や包む「包装」のうち、主な素材が紙でできているものを指します。容器包装リサイクル法では「商品の容器及び包装であって、当該商品が費消され、又は当該商品と分離された場合に不要となるもの」と定義されています。具体的には、お菓子の箱、ティッシュペーパーの外箱、紙袋、紙コップなどが該当します。これらは使用後に資源として回収され、再生紙などの原料として再利用されることで、資源の有効活用と環境負荷の低減に貢献します。なお、内側にアルミやプラスチックがコーティングされた複合素材でも、主素材が紙であれば紙製容器包装に分類されます。
対象例・非対象例のチェックリスト
| 対象(紙製容器包装として分別) | 非対象(別の分別方法) |
|---|---|
| ✅ お菓子・食品の紙箱 | ❌ 段ボール(段ボール回収へ) |
| ✅ ティッシュボックスの外箱 | ❌ 牛乳パック(洗って開いて飲料用紙パック回収へ) |
| ✅ 紙袋(取っ手がプラでも本体が紙なら対象) | ❌ 紙おむつ(可燃ごみへ) |
| ✅ 包装紙 | ❌ 感熱紙・レシート(可燃ごみへ) |
| ✅ 紙コップ・紙皿(使い捨て) | ❌ ノート・はがき等の紙製品(雑紙へ) |
| ✅ 紙製の卵パック | ❌ シュレッダーした紙(可燃ごみ又は雑紙) |
| ✅ 菓子箱の紙製仕切り | ❌ 汚れの落ちない紙容器(可燃ごみへ) |
| ✅ 紙製の緩衝材 | ❌ 写真・粘着テープ付きの紙(可燃ごみへ) |
紙製容器包装かどうか判断に迷ったら、「商品を入れる・包む目的で使われていたか」「使用後に不要となるか」という2つの基準で考えると分かりやすいでしょう。
(参照:紙製容器包装の「容器包装リサイクル制度の見直しに向けた提言」|環境省)
容器包装リサイクル法と識別マークのポイント
容器包装リサイクル法は、限りある資源を有効活用し環境負荷を軽減するために制定された法律です。
リサイクル法で定める「紙製容器包装」対象品目
容器包装リサイクル法では、紙製容器包装を「主として紙製(紙を主原料とする)の容器包装であって、飲料用紙容器(アルミ不使用)及び段ボール製容器包装以外のもの」と定義しています。具体的な対象品目としては、商品の箱、包装紙、紙袋、紙皿、紙コップなどが含まれます。ただし、段ボール箱と飲料用紙パック(牛乳パックなど)は別分類となり、個別にリサイクルルートが確立されています。また、製品の販売事業者には、容器包装の排出抑制や再商品化(リサイクル)の義務が課せられており、年間売上高や容器包装の使用量に応じてリサイクル費用を負担する仕組みとなっています。環境配慮設計の促進も法の重要な目的の一つです。
紙製容器包装マークの見分け方ガイド

紙製容器包装を識別するマークは、「紙」という文字が入った波形の図形です。このマークは容器包装リサイクル法に基づく分別の目印で、商品の箱や包装の端に小さく印刷されています。他にも素材ごとに、段ボール、飲料用紙パック、プラスチック製容器包装など異なる識別マークがあります。複合素材の場合は主たる素材のマークが表示されますが、マークが省略されている商品もあるため、素材を確認して適切に分別しましょう。
(参照:容器包装リサイクル法の概要|環境省)
分別・捨て方とリサイクルトピック
紙製容器包装のリサイクルを成功させるには、正しい分別と排出方法を知ることが重要です。また、回収された容器がどのようにリサイクルされているのかを理解することで、分別への意識も高まります。
自治体共通ルールと例外ケース
紙製容器包装の分別ルールは自治体によって異なりますが、一般的な共通ルールとしては「汚れを落とす」「付属品を取り除く」「折りたたむ・開く」という3つのポイントがあります。例えば、お菓子の箱は開いて平らにし、プラスチック窓や金具は可能な限り取り除きます。汚れが落ちない油染みや食品残渣がついた紙製容器は、多くの自治体で可燃ごみとして処理するよう指定されています。例外的なケースとして、ティッシュの箱のビニール部分は取り除かなくても良い自治体もあります。また、自治体によっては「雑がみ」として一括回収したり、「紙製容器包装」と「その他の紙」を分けて回収したりするなど、収集方法に違いがあります。お住まいの地域のルールを確認し、それに従って分別することが大切です。
紙製容器包装リサイクルの流れ(回収→再生)
紙製容器包装のリサイクルは、家庭での分別に始まり、新たな紙製品として生まれ変わるまで、いくつかの工程を経ます。まず、各家庭や事業所から回収された該当容器包装は、中間処理施設で他の類似素材と分別され、圧縮・梱包されます。次に、製造工場に運ばれた素材は、水と混ぜて攪拌し、パルプ状にします。この過程で印刷インクや不純物が除去されます。その後、漂白や異物除去などの処理を経て、新たな紙の原料となるパルプが生成されます。最終的に、この再生パルプから段ボール原紙、トイレットペーパー、コピー用紙などの紙製品が製造されます。リサイクルによって森林資源の保全、ごみの減量化、CO2排出削減などの環境効果が得られますが、紙は再生を繰り返すごとに繊維が短くなるため、5〜7回程度でリサイクルの限界を迎えるという特性もあります。

最新動向&企業事例
紙製容器包装業界は環境問題への対応を強化し、革新的な取り組みが次々と登場しています。こ環境配慮型包装の未来像を知ることで、消費者としての視点も広がるでしょう。
紙製ボトル開発の100年の歩みと現状の課題
紙製ボトルの開発は約100年前から始まっていました。1915年、オハイオ州トレドの玩具製造業者ジョン・ヴァン・ウォーマーが「紙製ボトル」(Pure-Pak®)の特許(米国特許第1,123,628号)を取得。その後1936年に初の量産機が米国で導入され、1937年には4,200万本を生産しました。以降技術改良が続けられてきました。現在、飲料・日用品業界では紙製ボトルへの関心が高まり、カールスバーグ、コカ・コーラ、ペリエなどの大手飲料メーカーが紙製ボトルの開発・試験販売を進めています。しかし、課題も存在します。液体を長期保存するための防水性確保、強度の維持、プラスチックなどの複合素材使用によるリサイクル性の低下などが挙げられます。また、製造コストの高さも普及の障壁となっています。これらの課題解決に向け、生分解性コーティング技術や完全リサイクル可能な設計など、研究開発が活発化しています。環境負荷とコスト、そして利便性のバランスをどう取るかが、今後の紙製ボトル普及の鍵を握っています。
紙製ボトル開発は環境問題解決の切り札として期待されていますが、技術的・経済的ハードルを克服する必要があります。各社の革新的な取り組みに注目です。
サステナブルパッケージ最前線:脱プラ
脱プラスチック化の流れを受け、紙製容器包装の革新的な取り組みが活発化しています。食品業界では包装を紙製に切り替えることでプラスチック削減を実現し、化粧品業界でもパッケージの紙化が進んでいます。テイクアウト・デリバリー食品向けには耐油・耐水性を持つ紙製容器の開発が進行中で、外食チェーンでも紙製ストローの導入が拡大。一方、コスト増や機能性確保などの課題も存在します。業界全体で技術革新とコスト削減の取り組みが続き、今後さらなる普及が期待されています。
サステナブルパッケージングは企業の環境戦略の重要な柱となっており、消費者の意識向上と技術革新により、環境と経済を両立させる包装ソリューションの開発が加速しています。
まとめ:今日からできる分別・リサイクルの3つのポイント
紙製容器包装のリサイクルを効果的に進めるには、以下の3つのポイントを押さえましょう。
①正しく識別する:紙製容器包装マークを確認し、段ボールや牛乳パックと区別して分別します。
②適切に処理する:汚れを落とし、プラスチックなどの異物を可能な限り取り除き、折りたたんでかさばらないようにします。
③地域ルールを守る:自治体によって収集方法や分別ルールが異なるため、お住まいの地域のガイドラインを確認しましょう。
これらの行動が資源の有効活用につながり、環境負荷の軽減に貢献します。一人ひとりの小さな心がけが、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となるのです。