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温室効果ガスを減らすには?家庭・企業の具体例

温室効果ガスを減らすには?家庭・企業の具体例

温室効果ガスを減らすには?家庭・企業の具体例

地球温暖化による異常気象が深刻化する今、温室効果ガス(GHG)の削減は私たち一人ひとりに求められる喫緊の課題です。日本は2030年度に2013年度比46%削減、2050年にカーボンニュートラルという高い目標を掲げています。

本記事では、家庭で今日から始められる高インパクトな対策から、企業・自治体向けの実務的な削減ロードマップまで、具体的な効果の目安とコスト感を交えて解説します。

温室効果ガスとは?今すぐ減らすべき理由と基本の見方

温室効果ガスは地球温暖化の主因であり、削減への取り組みは世界共通の緊急課題となっています。2023年の世界全体のGHG排出量は前年比約1.3%増加し、過去最高水準を記録しました。

温室効果ガスの主要種類とCO₂換算(CO₂e)とは

温室効果ガスには複数の種類があり、それぞれ温室効果の強さが異なります。主なものは「二酸化炭素(CO₂)」「メタン(CH₄)」「一酸化二窒素(N₂O)」「ハイドロフルオロカーボン(HFCs)」「パーフルオロカーボン(PFCs)」「六フッ化硫黄(SF₆)」「三フッ化窒素(NF₃)」の7種類です。

これらを統一的に比較するため、各ガスの温室効果をCO₂の影響力に換算した「CO₂換算(CO₂e)」という単位が使われます。たとえばメタンはCO₂の約28倍の温室効果があり、1トンのメタン排出は28トンCO₂eと換算されます。

(参照:温室効果ガスインベントリの概要|環境省

日本の目標と最新の押さえどころ

日本は2021年に「2030年度46%削減(2013年度比)・2050年カーボンニュートラル」を国際公約として提出しました。

さらに2025年2月18日には新たなNDC(国が決定する貢献)として、2035年度60%削減、2040年度73%削減という野心的な中期目標を閣議決定し、国連気候変動枠組条約事務局へ提出しました。世界全体での1.5℃目標と整合的で、2050年ネット・ゼロの実現に向けた直線的な経路にある野心的な目標として位置づけられています。

これらの達成には産業・家庭・運輸すべての分野での大幅削減が不可欠であり、個人・企業を問わず具体的な行動が求められます。

(出典:日本のNDC(国が決定する貢献)|環境省

家庭で”今すぐ”できる高インパクト施策(優先順位と効果の目安)

家庭からのCO₂排出は、電気・熱の使用に伴う排出を消費者側に配分した場合、日本全体の約15%を占めています(2023年度、電気・熱配分後排出量ベース)。

日々の暮らしの中で無理なく続けられる対策を「効果の大きさ」「コスト」「実行のしやすさ」の観点から整理しました。優先度の高い施策から取り組むことで、効率的に削減効果を得られます。

住まい・電気:暖冷房の設定、家電の使い方、再エネ契約の選び方

家庭のエネルギー消費で最も大きな割合を占めるのが冷暖房です。エアコンの設定温度を1℃緩和すると、消費電力を冷房時で約13%、暖房時で約10%削減できるとされています(財団法人省エネルギーセンター調査に基づく環境省の目安。実際の削減効果は建物の断熱性能や外気温などの条件により変動します)。

具体的には、冷房設定温度を27℃から1℃上げると年間約14.8kgCO₂削減、暖房設定温度を21℃から20℃にすると年間約25.9kgCO₂削減となります。また、10年以上使用した家電の買い替えや、再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替えも有効です。

施策効果(kgCO₂/年)コスト感実行難度
冷房設定温度+1℃約15kg無料★☆☆
暖房設定温度−1℃約26kg無料★☆☆
エアコンフィルター清掃(月1回)約20〜30kg無料★☆☆
省エネ家電への買い替え(冷蔵庫・エアコン等)約100〜150kg10〜20万円★★☆
再エネ電力プランへ切替約500〜1,000kg※月数百円増程度★★☆

※再エネ電力の効果は契約プランや使用量により変動

交通・移動:車・公共交通・飛行機の使い分けと代替案

移動手段の選び方は、CO₂排出量に大きく影響します。自家用車から公共交通機関への切り替えや、近距離は自転車・徒歩を選ぶことで排出を大幅に減らせます。

1回の短距離移動(5km程度)を徒歩や自転車に変えるだけで約1kgのCO₂削減、アイドリングを5分短縮するだけで約30〜40gのCO₂削減につながります。長距離移動では飛行機より新幹線のほうがCO₂排出量は約1/6〜1/8と大幅に少なくなります。

エコドライブの実践やEV・PHEVへの乗り換えも中長期的に有効な選択肢です。

施策効果(kgCO₂/年)コスト感実行難度
週1回の車利用を公共交通に変更約200〜400kg交通費程度★★☆
エコドライブの実践約50〜100kg無料★☆☆
近距離移動を自転車・徒歩に約100〜200kg無料★☆☆
国内長距離移動:飛行機→新幹線(年2往復)約100〜150kg同等〜やや高★★☆

食・消費:食品ロス削減・植物性シフト・長寿命製品の選択

食料システム全体からの温室効果ガス排出は、世界の総排出量の21〜37%を占めると推定されています。

特に食品ロスの影響は大きく、消費者庁の令和7年度推計(令和5年度食品ロス量464万トンに基づく)では、日本の食品ロスによる温室効果ガス排出量は合計約1,050万トン、国民一人あたり約84kgに相当します。

買い物前の在庫確認、使い切り調理、地産地消を心がけることで削減に貢献できます。また、牛肉など畜産物を週に1〜2回植物性食品に置き換えるだけでも効果があります。

施策効果(kgCO₂/年)コスト感実行難度
食品ロスを半減させる約40〜50kg節約効果あり★★☆
週1回の牛肉を鶏肉・豆類に置換約50〜100kg同等〜節約★★☆
地産地消・旬の食材を選ぶ約20〜30kg同等★☆☆
長寿命・修理可能な製品を選ぶ定量化困難初期費用やや高★★☆

企業・自治体向け:計測→削減→開示の実務ロードマップ

企業や自治体が温室効果ガス削減に取り組む際は、「計測(現状把握)→削減(対策実行)→開示(情報公開)」の順序で進めることが基本です。

国際基準であるGHGプロトコルに沿った算定を行い、ステークホルダーへの透明性ある情報開示が求められています。

GHGインベントリ(Scope1/2/3)の作り方と簡易チェックリスト

GHGプロトコルでは、企業の排出量をScope1(直接排出)、Scope2(電力等の間接排出)、Scope3(サプライチェーン全体の間接排出)の3つに分類します。

Scope1は自社の燃料燃焼や製造工程からの排出、Scope2は購入した電力・熱・蒸気の使用に伴う排出が対象です。Scope3はさらに15のカテゴリに分類され、原材料調達から製品廃棄まで幅広い排出源を網羅します。

算定の基本式は「排出量=活動量×排出係数」であり、環境省の「サプライチェーン排出量算定に関する基本ガイドライン」を参照すると実務に役立ちます。

【簡易チェックリスト:GHGインベントリ作成】

ステップ確認項目完了
1. 目的設定算定目的(法令対応・SBT認定・取引先要請等)を明確化
2. 範囲設定組織範囲(連結・単体)と対象年度を決定
3. Scope1算定燃料使用量・社用車走行距離等のデータ収集
4. Scope2算定電力・熱・蒸気の使用量データ収集
5. Scope3分類15カテゴリへの活動分類と優先順位付け
6. 排出係数選定環境省DB・IDEAデータベース等から適切な係数を選択
7. 算定・集計各Scopeの排出量を算定し合計
8. 検証・記録第三者検証の要否確認、算定根拠の文書化

(参照:サプライチェーン排出量全般|環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム

短中長期の優先投資(再エネ導入、プロセス改善、サプライチェーン対策)

削減投資は時間軸に応じた優先順位付けが重要です。

短期(1〜2年)では、LED照明への切替、空調の運用改善、省エネ設備への更新など初期投資が比較的小さく即効性のある施策が有効です。

中期(3〜5年)では、太陽光発電設備の導入や再エネ電力契約への切替、生産プロセスの電化・効率化を進めます。

長期(5年以上)では、サプライチェーン全体での排出削減、水素・アンモニア等の次世代燃料導入、CCUS(CO₂回収・利用・貯留)技術の活用といった抜本的な脱炭素投資が求められます。

【投資優先度マトリクス(例)】

時間軸主な施策投資規模目安削減効果
短期(1〜2年)LED化、空調最適化、デマンド管理数十万〜数百万円5〜15%
中期(3〜5年)自家消費型太陽光、再エネPPA、高効率ボイラー数百万〜数千万円20〜40%
長期(5年〜)製造プロセス電化、EV車両導入、Scope3協働削減数千万〜数億円50%以上

情報開示とオフセットの位置づけ(グリーンウォッシング回避)

GHG排出量の情報開示は、投資家・取引先・消費者からの信頼獲得に不可欠です。CDP、TCFD、RE100といった国際イニシアチブがGHGプロトコルに準拠した報告を求めており、SBT(科学的根拠に基づく目標)認定を取得する企業も増えています。

一方、カーボンオフセット(排出権購入による相殺)は「自社削減努力を尽くした上での補完手段」として位置づけることが重要です。削減努力なしにオフセットのみに頼る姿勢は「グリーンウォッシュ」と批判されるリスクがあります。

開示の際は、削減実績とオフセット量を明確に区分し、第三者検証を受けることで透明性と信頼性を担保しましょう。

【グリーンウォッシング回避のポイント】

注意点推奨される対応
曖昧な目標表現基準年・目標年・削減率を数値で明示
オフセット偏重自社削減量とオフセット量を分けて開示
根拠なき主張算定方法・排出係数の出典を明記
一部のみ開示Scope1〜3を網羅的に報告
検証の欠如第三者機関による検証を実施

削減効果の見える化と支援制度の使い方/行動チェックリスト

温室効果ガス削減の取り組みを継続するには、効果を「数字で見える化」することが大切です。

無料で使える計算ツールや、国・自治体の支援制度を活用しながら、具体的なアクションを習慣化しましょう。

簡易CO₂換算の計算例と無料ツール案内

日常生活や事業活動のCO₂排出量は、「活動量×排出係数」で概算できます。たとえば電気使用量1kWhあたり約0.42kgCO₂(令和5年度全国平均)、ガソリン1Lあたり約2.3kgCO₂が目安です。

月の電気代が1万円(約300kWh)なら、約135kgCO₂の排出に相当します。

環境省の「しんきゅうさん」は家電買い替え時の削減効果を簡単に比較でき、「うちエコ診断WEBサービス」では家庭全体の排出量と削減ポイントを無料で診断できます。企業向けには環境省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」で排出原単位データベースや算定支援ツールが公開されています。

【主な無料ツール一覧】

ツール名対象主な機能提供元
しんきゅうさん個人家電買い替え時の省エネ・CO₂削減効果比較環境省
うちエコ診断WEBサービス個人家庭のCO₂排出量診断・削減アドバイス環境省
排出原単位データベース企業Scope1〜3算定用の排出係数一覧環境省
温室効果ガス簡易算定シート企業Excel形式のGHG排出量算定ツール農林水産省

補助金・税制優遇・相談窓口(自治体/国の代表例)

省エネ・再エネ設備の導入には、国や自治体からの補助金・税制優遇を活用できます。

国の代表的な制度として、住宅の断熱改修や高効率給湯器導入を支援する「住宅省エネキャンペーン」や、中小企業の省エネ設備投資を支援する「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」があります。また、太陽光発電設備は「中小企業経営強化税制」による即時償却や税額控除の対象となる場合があります。

各自治体でも独自の補助制度を設けているため、お住まいの地域の環境課や商工課への相談がおすすめです。

【主な支援制度(2025年時点)】

制度名対象支援内容問い合わせ先
住宅省エネキャンペーン個人断熱改修・高効率設備に補助金国土交通省・環境省
省エネルギー投資促進支援事業企業省エネ設備導入費用の一部補助経済産業省
中小企業経営強化税制企業太陽光等の即時償却・税額控除中小企業庁
自治体独自補助個人・企業EV購入、蓄電池導入等各自治体環境課

「今すぐやること」チェックリスト(個人版・企業版)

以下のチェックリストは、印刷やスクリーンショットでそのまま活用できます。まずは「今日からできること」に1つでもチェックを入れ、行動を始めてみてください。

【個人版】今すぐやることチェックリスト

カテゴリアクションチェック
電気エアコン設定温度を夏28℃・冬20℃に調整する
使わない家電のコンセントを抜く・主電源を切る
照明をLEDに交換する
再エネ電力プランを検討・申込みする
移動近距離は徒歩・自転車を使う
週1回、車を公共交通機関に置き換える
エコドライブ(急発進・急加速を避ける)を実践する
食・消費買い物前に冷蔵庫の在庫を確認する
食べきれる量だけ調理・注文する
地元産・旬の食材を選ぶ
長く使える製品を選び、修理して使う
見える化「うちエコ診断」で家庭の排出量を把握する

【企業版】今すぐやることチェックリスト

カテゴリアクションチェック
現状把握電力・燃料使用量の月次データを収集する
Scope1・2の排出量を概算する
Scope3の主要カテゴリを特定する
短期対策空調設定温度・運転時間を見直す
照明のLED化・人感センサー導入を検討する
社用車のエコドライブを推進する
中長期対策再エネ電力への切替・PPA契約を検討する
自家消費型太陽光発電の導入可否を調査する
サプライヤーへの排出量データ提供を依頼する
開示・連携GHG排出量の社内報告体制を整備する
補助金・税制優遇の活用可否を確認する
SBT・CDP等の外部認定取得を検討する

まとめ

温室効果ガス削減は、家庭での省エネ行動から企業のサプライチェーン全体の見直しまで、あらゆる主体が取り組むべき課題です。

エアコン設定温度の調整や食品ロス削減など、今日から始められる対策も多くあります。効果を数値で把握し、補助金や無料ツールを活用しながら、できることから一歩ずつ行動に移していきましょう。

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