硬水と軟水の違い|定義・硬度の見方(mg/L)も
硬水と軟水の違い|定義・硬度の見方(mg/L)も

硬水と軟水の違いは、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量で決まり、硬度(mg/L)という数値で表されます。WHOの基準では60mg/L未満が軟水、120mg/L以上が硬水とされ、日本では慣習的に100mg/L未満を軟水、300mg/L以上を硬水と区分することが多く、この硬度の違いによって味わいや用途が大きく変わります。
赤ちゃんの調乳には軟水が推奨され、料理によっても適した水が異なります。本記事では、硬度の定義や計算方法、WHO・日本の基準、そして調乳・料理・コーヒーなど日常での使い分けを具体的に解説します。
硬度とは? — 定義・計算式・国際/日本基準
水の硬度とは、水1Lあたりに含まれるカルシウムとマグネシウムの量を数値化したもので、単位はmg/Lで表記されます。この数値が低いほど軟水、高いほど硬水となり、飲用や料理への影響が変わります。
国際的にはWHO(世界保健機関)の基準、日本国内では慣習的な区分が使われており、実生活では硬度を確認することで適切な水選びができます。
硬度の計算式(Ca, Mg → mg/L) — 表記例と注意点(Ca×2.497+Mg×4.118)
硬度は以下の計算式で求められます。硬度(mg/L)= カルシウム量(mg/L)× 2.497 + マグネシウム量(mg/L)× 4.118 です。この係数は、カルシウムとマグネシウムを炭酸カルシウム(CaCO₃)相当量に換算するためのものです。
ミネラルウォーターのラベルには、硬度が直接記載されている場合と、カルシウム・マグネシウムの含有量から計算が必要な場合があります。購入時には「硬度○○mg/L」という表記を確認しましょう。
WHOの区分(軟水〜非常に硬い水のレンジ)と日本での慣習的区分
WHOによる硬度の国際基準は、60mg/L未満を「軟水」、60〜120mg/Lを「中程度の硬水(中硬水)」、120〜180mg/Lを「硬水」、180mg/L以上を「非常に硬い水」と分類しています。
一方、日本では慣習的に100mg/L未満を軟水、100〜300mg/L未満を中硬水、300mg/L以上を硬水とする区分が一般的です。日本の水道水は全国平均で約50.5mg/L(±30.2)(東京大学の全国調査)と軟水が中心で、日本人の味覚はこの軟水に慣れています。
すぐ使える数値例:東京水道(概ねの軟水レンジ)/代表的ミネラルウォーターの硬度例(Evianなど)
実際の硬度例を挙げると、東京都の水道水は約60mg/L前後で軟水の範囲です。
代表的なミネラルウォーターでは、いろはす:約27〜71mg/L(採水地により異なる・軟水)、南アルプスの天然水:約30mg/L(軟水)、エビアン(Evian):約304mg/L(硬水)、コントレックス:約1468mg/L(超硬水) となります。日本産のミネラルウォーターは軟水が多く、ヨーロッパ産は硬水が多い傾向にあります。
(参照:東京都水道局「水質データ」)
飲用・料理・飲料(コーヒー/お茶)での使い分け
硬水と軟水は、味わいや成分の違いから、飲用や料理、コーヒー・お茶の抽出において適した用途が異なります。軟水はまろやかでクセがなく日本料理に最適、硬水はミネラル補給や洋風料理に向いています。ここでは具体的な使い分けのポイントを解説します。
味の違いと”どんな人に向くか”:軟水=まろやか、硬水=ミネラル感・コク(具体例)
軟水は口当たりが柔らかく、さっぱりとした飲み口で、日本人の味覚に馴染みやすい特徴があります。クセがないため、素材の味を引き立てたい料理や、繊細な風味を楽しむ飲み物に適しています。
一方、硬水はカルシウムやマグネシウムが豊富で、しっかりとした飲みごたえとミネラル感があります。運動後のミネラル補給や、ダイエット・健康志向の方、便秘解消を期待する方におすすめです。ただし、硬水は慣れないと重く感じたり、お腹がゆるくなることもあるため、初めての方は中硬水から試すと良いでしょう。
料理別の推奨(ご飯・だし・肉の煮込み・スープ)
ご飯炊きには軟水が最適で、米粒がふっくらと炊き上がり、甘みが引き出されます。硬水で炊くとミネラルがでんぷんの糊化を妨げ、パサつく原因になります。
だし取りも軟水が推奨で、昆布や鰹節の旨味成分が溶け出しやすく、澄んだ風味に仕上がります。
肉の煮込み料理では、硬水を使うとカルシウムが肉のタンパク質と結合してアクを出しやすくし、臭みを抑える効果があります。ビーフシチューやポトフなど洋風煮込みには硬水が向いています。
野菜スープは軟水で野菜本来の甘みを活かし、ミネストローネなど濃厚な味付けには中硬水〜硬水がコクを加えます。
コーヒー/お茶の抽出に与える影響と狙いどおりの硬度レンジ
コーヒーは、SCA(スペシャルティコーヒー協会)の基準によると、硬度17〜85mg/L(目標68mg/L)、TDS 75〜250mg/L程度が推奨されています。軟水寄り(40〜70mg/L程度)で淹れると酸味と香りが際立ち、すっきりとした味わいになります。
硬度が高め(70〜150mg/L程度)では苦味とコクが強調されるため、深煎り豆に適しています。ただし、硬度が高すぎる(175mg/L以上)と抽出が妨げられ、風味が損なわれることがあります。
日本茶は軟水が基本で、特に玉露や煎茶の繊細な旨味と甘みを引き出すには硬度30〜50mg/Lが理想的です。
紅茶は中硬水(100〜150mg/L)が適しており、水色(すいしょく)が鮮やかに出て、タンニンとのバランスが良くなります。水の選び方一つで、同じ茶葉やコーヒー豆でも味わいが大きく変わります。
(参照:SCA(スペシャルティコーヒー協会)Water Quality Standards)
調乳(乳児)→ 家電・配管影響 → 対策
赤ちゃんの調乳には軟水が推奨され、硬水は乳児の未発達な内臓に負担をかける可能性があります。また、硬水は家電や配管にスケール(白い付着物)を発生させ、故障や劣化の原因になります。適切な水選びと対策方法を知ることで、育児と家庭環境の両方を守ることができます。
調乳の結論(赤ちゃんには軟水を推奨する理由)
赤ちゃんの調乳には軟水を使用することが推奨されます。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)では、調乳でペットボトルの水を使用する場合は、硬水を避けるべきとされています。
乳児の腎臓や消化器官は未発達で、硬水に含まれる過剰なカルシウムやマグネシウムを処理しきれず、下痢や消化不良、腎臓への負担につながる恐れがあります。粉ミルクには既に適切な量のミネラルが配合されているため、硬水で調乳するとミネラル過多になってしまいます。
日本の水道水は大半が軟水のため、煮沸後に使用すれば問題ありませんが、海外製ミネラルウォーターを使う場合は必ず硬度表示を確認しましょう。
(出典:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)|厚生労働省)
家電・配管:スケール(白い付着物)発生の仕組みと具体的被害例(給湯器、ケトル、洗濯機)
硬水を使い続けると、カルシウムやマグネシウムが熱や蒸発によって析出し、白い固形物(スケール)として家電や配管に付着します。
電気ケトルでは底面や内側に白い層ができ、熱効率が低下して電気代が上がり、最悪の場合は故障します。
給湯器では配管内部にスケールが蓄積し、水の流れが悪くなり、温度調節不良や給湯能力の低下を招きます。
洗濯機では洗剤の泡立ちが悪くなり、衣類がゴワゴワになったり、洗濯槽の裏側にカビとスケールが混在して不衛生になります。
食器洗い機や加湿器もスケールで目詰まりを起こしやすく、定期的なメンテナンスが必要です。一般的に硬度120mg/L以上の地域ではスケール被害が顕著になりやすく、200mg/L以上では軟水化処理が強く推奨されます。ただし、スケールの発生は硬度だけでなく、水温やpH、機器の種類によっても異なるため、具体的な被害の程度は家庭ごとに異なります。
対策:家庭での簡単な除去法、軟水化フィルターや軟水器の導入判断フロー
既に付着したスケールは、クエン酸や酢を使った洗浄が効果的です。電気ケトルなら水1Lにクエン酸大さじ1を溶かして沸騰させ、1時間放置後すすぐことで除去できます。給湯器や洗濯機は、市販のクエン酸洗浄剤を使った定期メンテナンスが有効です。
根本的な対策として、軟水化フィルターや軟水器の導入を検討しましょう。硬度が120mg/L以上の地域、または家電の故障が頻発する家庭では導入メリットが大きくなります。蛇口取り付け型の簡易フィルター(3,000〜10,000円)から、家全体の水を軟水化する軟水器(10万円〜)まで選択肢があります。
ランニングコストや設置スペース、硬度レベルに応じて選びましょう。赤ちゃんがいる家庭や、美容・洗濯の質を向上させたい方には特におすすめです。
すぐ使える比較表&FAQ
代表的ミネラルウォーターと主要都市の水道硬度(mg/L)比較表
| 種類 | 商品名・都市名 | 硬度(mg/L) | 分類 |
|---|---|---|---|
| ミネラルウォーター | いろはす | 約30 | 軟水 |
| 南アルプスの天然水 | 約30 | 軟水 | |
| エビアン | 約304 | 硬水 | |
| ペリエ | 約400 | 硬水 | |
| コントレックス | 約1468 | 超硬水 | |
| 水道水 | 東京都 | 約60 | 軟水 |
| 大阪市 | 約40 | 軟水 | |
| 札幌市 | 約30 | 軟水 | |
| 福岡市 | 約50 | 軟水 | |
| 沖縄県(那覇市) | 約80 | 軟水 |
(参照:各メーカー製品情報、各自治体水道局「水質検査結果」)
FAQ
Q1. 赤ちゃんに硬水を使っても大丈夫?
硬水は赤ちゃんの調乳には適していません。未発達な腎臓や消化器官に負担がかかり、下痢や消化不良の原因になります。軟水を使用してください。
Q2. コーヒーには軟水と硬水どちらが良い?
軟水は酸味と香りが際立ち、硬水は苦味とコクが強調されます。浅煎りには軟水、深煎りには中硬水がおすすめです。好みに応じて使い分けましょう。
Q3. 自宅の水の硬度を測る方法は?
市販の硬度測定キット(試薬タイプや試験紙)で測定できます。または、お住まいの地域の水道局ホームページで水質検査結果を確認できます。
Q4. 硬水を飲むと健康に良い?
硬水はカルシウムやマグネシウムが豊富で、ミネラル補給や便秘解消に効果が期待できます。ただし、飲み慣れない方は下痢を起こすこともあるため、少量から始めましょう。
Q5. 軟水器は必要?
硬度150mg/L以上の地域や、家電のスケール被害が多い家庭では導入メリットがあります。肌や髪への優しさを求める方にもおすすめです。
まとめ
硬水と軟水の違いは硬度(mg/L)で判断でき、赤ちゃんの調乳には軟水が必須、料理やコーヒー・お茶は用途に応じて使い分けることが大切です。
日本の水道水は軟水が中心ですが、ミネラルウォーター選びや硬水地域での家電対策には硬度の確認が欠かせません。本記事を参考に、健康と生活の質を高める水選びを実践してください。

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