紙パックの水・ミネラルウォーター ハバリーズTOP » NEWS » コラム » プラスチック問題で今すぐできること|個人・家庭・職場で実践

プラスチック問題で今すぐできること|個人・家庭・職場で実践

プラスチック問題で今すぐできること|個人・家庭・職場で実践

プラスチック問題で今すぐできること|個人・家庭・職場で実践

世界では年間800万トン以上のプラスチックごみが海へ流れ込んでおり、2024年のOECD報告では年間約1,100万トンに達すると推定されています。日本周辺海域のマイクロプラスチック濃度は北太平洋の代表値に対して最大で27倍という結果が示されています。2025年の最新研究では、マイクロプラスチックが人体の脳や臓器に蓄積していることが判明し、健康への影響が深刻化しています。(※健康への影響については現時点では不明な点が多く、さらなる研究が必要とされています。)しかし、プラスチック問題は一人ひとりの行動で確実に改善できる環境課題です。本記事では、今日から実践できる具体的なアクションを、効果レベルとともに分かりやすく紹介します。

(参照:Policy Scenarios for Eliminating Plastic Pollution by 2040|OECD
(参照:Plastic waste inputs from land into the ocean|Science

今日からできる個人の具体アクション(買い物・習慣で減らす)

日常の買い物や生活習慣を見直すだけで、プラスチック使用量は大幅に削減できます。ここでは、効果レベル(低/中/高)とともに、誰でも今日から始められる実践的な方法を紹介します。

買い物での対策:マイバッグ・詰め替え・まとめ買いの実例と注意点

マイバッグの持参は効果:中です。レジ袋1枚あたり約10gのプラスチック削減につながり、年間で約3.6kgの削減効果が期待できます。ただし、エコバッグ自体の製造にもエネルギーが必要なため、50回以上繰り返し使用することで環境効果が得られます。洗濯可能な素材を選び、長期間使い続けることが重要です。

詰め替え商品の選択は効果:高です。ライオンなど日本企業が進める「詰替え文化」は、容器製造に必要なプラスチックを約70%削減できます。洗剤、シャンプー、調味料など、詰め替え対応商品を優先的に購入しましょう。初回は容器入りを購入し、2回目以降は詰め替え用を選ぶことで、継続的な削減が実現します。

まとめ買いと量り売りの活用は効果:中です。個包装を避け、大容量パックを選ぶことで、包装材を削減できます。最近では、洗剤や調味料の量り売り店舗も増加しています。専用容器を持参すれば、さらなる削減が可能です。

日常の工夫:容器・ラップの代替、修理・長持ちテクニック

食品保存容器の見直しは効果:中です。使い捨てラップの代わりに、ガラス容器やシリコン製の繰り返し使える蓋、蜜蝋ラップを活用しましょう。これらは数百回使用できるため、長期的なコスト削減にもつながります。野菜の保存には、濡れた布巾で包む伝統的な方法も効果的です。

マイボトル・マイカップの携帯は効果:高です。日本では年間約267億本(2023年度)のペットボトルが使用されており、個人が毎日1本のペットボトル購入を避けるだけで、年間365本、約9kgのプラスチック削減になります。保温・保冷機能付きのステンレスボトルなら、季節を問わず活用できます。

修理と長期使用の徹底は効果:高です。壊れたプラスチック製品を安易に買い替えず、修理することで資源循環に貢献します。接着剤での補修、部品交換、メーカー修理サービスの活用を検討しましょう。製品購入時は、修理可能なデザインと長期保証のあるものを選ぶことが賢明です。]

(参照:PETボトルの軽量化|PETボトルリサイクル推進協議会

家庭と地域でできる分別・回収・コミュニティ活動(始め方)

正しい分別と地域活動への参加は、プラスチック問題解決の基盤です。自治体ルールの確認方法から、コミュニティでの取り組みの始め方まで、具体的なステップを解説します。

自治体の分別ルールの調べ方とよくある誤解

自治体の分別ルールは、各市区町村の公式ウェブサイトで確認できます。「(自治体名) ごみ分別」で検索すると、分別アプリや詳細なガイドブックがダウンロード可能です。多くの自治体では、AIチャットボットによる質問対応サービスも導入されています。不明な場合は、自治体の環境課に電話で問い合わせることをお勧めします。

よくある誤解として、「汚れたプラスチックはリサイクルできない」という思い込みがあります。実際には、軽くすすいで汚れを落とせばリサイクル可能です。プラスチック資源循環促進法により、2022年から使い捨てプラスチック製品12品目の削減が事業者に求められており、家庭での適切な分別がより重要になっています。また、「生分解性プラスチックは通常ごみに出せる」も誤解で、多くの自治体では通常のプラスチックと同じ扱いです。

(参照:特定プラスチック使用製品の使用の合理化|環境省

地域清掃・学校ワークショップの企画手順(テンプレ付き)

地域清掃活動は、自治会や町内会に参加申込書を提出することから始めます。基本的な企画手順は、①目的と日程の設定(月1回・2時間程度が継続しやすい)、②参加者募集(回覧板・SNS活用)、③必要物品の準備(軍手・ごみ袋・トング)、④安全確保(保険加入・連絡体制)の4ステップです。自治体によっては、清掃用具の無料貸出やごみ処理費用の補助制度があります。

学校や地域でのワークショップ開催には、環境NPOの協力が効果的です。環境省や地域のNPOに問い合わせると、講師派遣プログラムや教材提供を受けられます。ワークショップの基本構成は、①プラスチック問題の現状説明(15分)、②グループディスカッション(20分)、③具体的アクションの計画作り(25分)です。参加者に「マイアクション宣言シート」を配布し、実践を促すことで、行動変容につながります。

職場・企業で今すぐ始められる施策と中長期プラン(事例付き)

企業のプラスチック削減は、環境貢献とコスト削減を同時に実現します。即実行できる施策から、数値目標を伴う中長期戦略まで、実際の成功事例とともに紹介します。

オフィスで即実行できる7つの施策(チェックリスト)

1. ペットボトル飲料の社内販売中止(効果:高):給茶機や浄水器を設置し、マイボトル持参を推奨します。従業員100名規模で年間約3万本、750kgの削減が可能です。

2. 会議室の使い捨てカップ廃止(効果:中):マグカップや洗浄可能なグラスに切り替えます。食洗機導入でコストは回収できます。

3. 文具・備品の詰め替え製品への切り替え(効果:中):テープ、のり、マーカーなど、詰め替え対応商品を優先調達します。

4. 社内便の簡易包装ルール策定(効果:中):過剰な梱包を避け、再利用可能な社内便封筒を導入します。

5. 弁当容器のリユース化(効果:高):社員食堂や弁当業者と協力し、回収・洗浄システムを構築します。

6. ノベルティのプラスチック製品廃止(効果:中):先進企業では販売促進物品のプラスチック使用量を2019年比で50%削減する目標を掲げています。これを参考に、紙製品や長期使用可能なアイテムに変更しましょう。

7. プラスチック削減目標の社内共有(効果:高):月次でKPIを可視化し、達成度を全社員と共有することで、意識改革を促進します。

事例:店舗・企業の回収スキームと導入効果

キリングループは再生PET樹脂100%使用ボトルを採用し、2024年に国内ペットボトルの再生PET使用比率38%以上、2027年に50%という目標を掲げています。ケミカルリサイクルによるサーキュラー・エコノミー構築で、資源循環を実現しています。
(参照:環境報告書2024|キリングループ

ネスレは2025年を目標期限として包装材料を95%以上リサイクルまたはリユース可能にし、バージンプラスチック使用量を3分の1削減するコミットメントを掲げています。2025年10月時点で最終段階の取り組みが進められており、今後達成状況の公表が見込まれます。日本を含む各国で具体的な取り組みを進めており、容器設計の見直しと代替素材の採用を並行して実施しています。
(参照:環境報告書2024|ネスレ

店舗での回収スキーム事例として、大手小売チェーンでは使用済みペットボトルの店頭回収を実施し、ポイント還元で顧客参加を促進しています。年間回収量は店舗あたり平均5トンで、これを再生原料として自社製品に活用することで、原材料コストを約15%削減できています。

2025年以降、製造業や食品・物流分野では包装材や使い捨て製品の素材変更、再生材の利用義務化に直面しています。早期対応により、規制適合とブランド価値向上の両立が可能です。

代替素材・技術・政策のポイントと注意点

代替素材には万能な解決策ではなく、条件や限界があります。正しい知識と政策理解があってこそ、効果的なプラスチック削減が実現します。誤解を防ぐポイントを解説します。

生分解性プラスチック・紙製品の長所と限界(条件付きの効果)

生分解性プラスチックは特定の条件下でのみ分解されます。市販の生分解性プラスチックの多くは工業用コンポスト施設での高温環境(58℃以上)が必要で、海洋や土壌では分解が進みません。日本の研究者が開発した海水で数時間から数日で完全に分解される新素材も存在しますが、まだ一般流通していません。従来のプラスチックが海洋環境で分解されるまで数百年かかることを考えると、海洋や土壌では分解が進みません。「生分解性」の表示があっても、家庭ごみとして廃棄すると通常のプラスチックと同じ扱いになる点に注意が必要です。

紙製品への切り替えも万能ではありません。紙ストローや紙容器の製造には森林資源と多量の水が必要で、防水加工にプラスチックコーティングが施されている製品も存在します。2025年以降、EUでは包装材に対してリサイクル可能性の義務付けが導入され、再生プラスチックの使用率目標が定められています。単純な素材変更ではなく、リユース・リサイクルを前提とした循環システムの構築が重要です。

代替素材選択では、LCA(ライフサイクルアセスメント)の視点が不可欠です。製造・輸送・廃棄までの環境負荷を総合的に評価し、本当に環境改善につながる選択をすることが求められます。

政策・制度を押さえる:個人・事業者ができること(パブコメ/参加方法)

プラスチック資源循環促進法は2022年4月から施行され、使い捨てプラスチック製品12品目について使用削減が求められています。対象品目には、フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、かみそり、シャワーキャップ、歯ブラシ、衣類用ハンガー、衣類用カバーが含まれます。多量提供事業者は有償化や代替素材への転換が義務付けられており、個人も無料配布を辞退することで削減に貢献できます。

2025年8月5日から15日にかけて、スイス・ジュネーブでプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた第5回政府間交渉委員会再開会合(INC-5.2)が開催されました。しかし、プラスチック生産規制をめぐる産油国と規制推進国の対立により合意には至らず、閉会しました。今後の交渉再開の見通しは立っていませんが、条約策定に向けた国際的な機運は継続しており、各国の動向が注目されています。国際的な規制強化の流れを受け、日本でも今後さらなる法規制が見込まれます。環境省のウェブサイトでは、プラスチック関連政策のパブリックコメント募集が定期的に行われており、個人や事業者が意見を提出できます。

政策への参加方法として、電子政府の総合窓口(e-Gov)でパブリックコメント情報を確認し、意見提出期間内にメールやオンラインフォームで意見を送付できます。地域レベルでは、自治体の環境審議会や市民参加型ワークショップに参加することで、地域政策の形成に関わることが可能です。企業は業界団体を通じた政策提言や、自主的な目標設定による先進的取り組みが評価されます。

(参照:UN sets date for extra session to finalize plastics treaty|Reuters

まとめ

プラスチック問題の解決は、一人ひとりの日常行動から始まります。マイバッグ・マイボトルの携帯、詰め替え商品の選択、正しい分別といった小さな実践が、確実な削減効果を生み出します。職場では即実行できる7つの施策から着手し、自治体の政策にも積極的に参加しましょう。代替素材の限界を理解しつつ、リユース・リサイクルを優先する循環型の選択が重要です。今日から行動を始め、持続可能な未来を共に創りましょう。

ハバリーズ 紙パック 水 ミネラルウォーター

外出先などマイボトルの利用が難しい場面では、ペットボトルよりプラスチック使用量を60%削減できる紙パックミネラルウォーター「ハバリーズ」も選択肢の一つです。FSC認証取得の100%再生可能な紙素材を使用し、独自のリサイクル回収システムで「紙から紙への再生」を可視化。サーキュラーエコノミーの実践例として注目されています。日常的なマイボトル使用を基本としながら、必要な場面で環境負荷の低い製品を選ぶことで、より効果的なプラスチック削減につながります。詳しくはこちらをご覧ください。