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プラスチック問題 日本の現状と対策|数字でわかる影響

プラスチック問題 日本の現状と対策|数字でわかる影響

プラスチック問題 日本の現状と対策|数字でわかる影響

日本のプラスチック問題は数値で見ると複雑な現状が浮かび上がります。最新データによると廃プラスチック排出量は減少傾向にあるものの、海洋汚染やマイクロプラスチックによる生態系への影響が深刻化しています。本記事では最新の統計データと科学的エビデンスをもとに、日本のプラスチック問題の全体像と具体的な対策を解説します。

日本のプラスチック問題を数字で把握する — 現状とトレンド

日本の廃プラスチック排出量は近年減少傾向にありながらも、処理方法や有効利用の内容に課題が残されています。

国内の廃プラスチック排出量・処理状況

一般社団法人プラスチック循環利用協会の2024年12月発表によると、2023年の廃プラスチック総排出量は769万トンとなり、前年の823万トンから54万トン減少しました。有効利用率については2023年で89%に改善している一方で、サーマルリサイクル(エネルギーリカバリー)が64%と過半を占めており、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの比率は25%程度に留まっているのが実情です。

(参照:プラスチックリサイクルの基礎知識2025|一般社団法人プラスチック循環利用協会

種類別(容器包装・産業廃棄等)の傾向と前年比の変化

廃プラスチック排出量の分野別内訳では、包装・容器等/コンテナ類が最も多く、樹脂別ではポリエチレン、ポリプロピレンが主要なものとなっています。日本のプラスチック消費量910万トン(2022年実績)のうち、包装・容器が49%を占めることからも、容器包装分野での対策が重要であることが分かります。

2023年の廃プラスチック総排出量は769万トンとなり、前年の821万トンから52万トン減少しました。内訳では一般系廃棄物が387万トン、産業系廃棄物が382万トンとなっており、両者がほぼ同程度の排出量となっています。

分野別に見ると、一般系廃棄物では「包装・容器等/コンテナ類」のみで全体の75%を占めています。一方、産業系廃棄物では「電気・電子機器/電線・ケーブル/機械等」と「包装・容器等/コンテナ類」の二つの分野で全体の半分を占める構造となっています。

この減少傾向は、製品寿命の短い包装・容器分野の「国内樹脂製品消費量」減少の影響を受けたものと分析されており、容器包装分野での削減対策が着実に効果を上げていることを示しています。

(参照:プラスチック循環利用協会「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(マテリアルフロー図)」2024年12月発表

海洋・生態系・人体への影響

科学的エビデンスに基づくマイクロプラスチックの影響評価は、海洋生態系から人体まで広範囲に及んでいます。

マイクロプラスチックの分布:沿岸〜深海の違いと漁業・観光への影響

JAMSTEC のKEO観測データを点データから外挿すると、黒潮続流・再循環域で概算として年間数万トン(約2.8万トン規模)のマイクロプラスチックが深海(約4,900 m)へ輸送されうると推定されます。ただしこれは観測点データの外挿推定であり、地域差や観測期間の制約から不確実性が大きい点に留意が必要です。

アジア太平洋地域における海洋プラスチックごみの経済的損失は近年再評価が進んでおり、McIlgormらの分析(2022年)では、2015年時点の同地域の年間損失は約108億米ドル(USD 10.8 billion)に達すると推定されています。分野別には、海洋観光(marine tourism)への影響が最も大きく約64.1億米ドル(USD 6.41 billion)、漁業・養殖(fisheries & aquaculture)への影響は約14.7億米ドル(USD 1.47 billion)、海上輸送・船舶分野は約29.5億米ドル(USD 2.95 billion)と推計されています。

(参照:Ikenoue et al., Environmental Science & Technology, 2024|JAMSTECによる観測研究

人体への懸念(摂取経路・研究結果の要約)と科学的な限界

カナダのビクトリア大学の研究では、食品や飲料水からのマイクロプラスチック年間摂取量は39,000~52,000個と推計されています。

2025年に発表された系統的レビューは、主に動物実験でマイクロプラスチック曝露が卵巣機能やホルモンバランスに悪影響を与える証拠を示している一方、ヒトにおける因果関係を確定するには追跡疫学や大規模なヒトデータがまだ不足していると結論しています。別の小規模研究ではヒトの卵胞液中からマイクロプラスチックが検出されたとの報告があり(存在は示された)が、これらは検出・関連の段階であり、直接的な因果関係を証明するものではありません。

(参照:Cox KD et al., Environmental Science & Technology 2019 — 「Human Consumption of Microplastics」推計
(参照:Inam Ö. et al., Archives of Gynecology and Obstetrics, 系統的レビュー:microplastics と女性生殖器への影響、2024/2025公表
(参照:ヒト卵胞液中のマイクロプラスチック検出, Ecotoxicol Environ Saf., 2025

政策・法令と実務(国・自治体・企業の役割)

法規制による制度的な枠組みと実際の運用現場では、理想と現実のギャップが存在しています。

プラスチック資源循環促進法など主要法令の要点(施行日・事業者義務)

プラスチック資源循環促進法は、マイクロプラスチック対策の根幹となる法律です。日本では本法律に基づき、製品設計段階からマイクロプラスチック流出防止を考慮した対策が求められています。
プラスチック資源循環促進法は2021年6月に公布され、2022年4月1日から施行されました。使い捨てプラスチック製品合計12品目について、使用を減らすことが求められており、多量のワンウェイプラスチックを提供している事業者が判断基準に適合しない場合には、経済産業省は勧告等により是正を求めることができます。

自治体・企業の注目事例:成功要因と実運用での課題(3事例)

川崎市「100%プラリサイクル都市」
川崎市では令和6年4月から川崎区において、これまで普通ごみとして収集・焼却していたプラスチック製品を、プラスチック製容器包装と共に「プラスチック資源」として一緒に収集してリサイクルする取組を実施し、市内事業者との連携により高度なリサイクルを実現しています。
(参照:「100%プラリサイクル都市」の実現に向けて|川崎市

日本コカ・コーラの「ボトルtoボトル」
2021年5月には「コカ・コーラ」などの旗艦製品に100%リサイクルPETボトルを導入し、年間約26,000トンの温室効果ガス排出量と、約29,000トンの新たな石油由来原料からつくられるプラスチック量の削減見込みを実現しています。
(参照:「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」 100%リサイクルPETを使用した新ラベルレスボトル|日本コカ・コーラ株式会社

キューピーの水平リサイクル実証実験
2024年度から、千葉市内のイオン・イオンスタイル8店舗で使用済み油付きPETボトルの回収実証実験を実施し、使用済み商品容器から再び同じ種類の商品容器を製造する水平リサイクルに取り組んでいます。
(参照:キユーピーと日清オイリオグループが協働して使用済み油付きPETボトル回収の実証実験を開始|キューピー

家庭と企業が今すぐできる実践チェックリスト & よくあるQ&A

理論的な知識から実践的な行動へ。今すぐ取り組める具体的なアクションプランを提示します。

買い物・消費でできる具体行動(Reduce / Reuse / Recycle)

家庭向け実践チェックリスト
□ マイバッグ・マイボトルの常時携帯
□ 使い捨て容器とレジ袋を避け、マイボトルやマイバッグの持参により総量を減らす
□ 量り売りや詰め替え商品の積極的選択
□ 分別をしっかり行い、企業が展開している製品回収の取り組みに加わる

企業向け実践チェックリスト
□ 製品設計時からの環境配慮組み込み
□ 紙等の代替素材、生分解性に優れたプラスチックの導入検討
□ 自主回収・再資源化事業計画の策定検討

分別で陥りやすい誤り・代替素材のメリットとトレードオフ

横浜市と川崎市で2024年から2025年にかけて段階的に実施されているプラスチックごみの回収方法変更のような制度変更への対応が重要です。代替素材については、紙への代替は生分解性がある一方で森林資源への依存、リサイクル材は資源循環を促進するがバージン材よりも割高になるケースがあります。

FAQ

Q1:プラスチックを紙に替えればすべて解決しますか?
A:必ずしもそうではありません。紙の製造には大量の水とエネルギーが必要で、用途に応じた最適な素材選択が重要です。

Q2:マイクロプラスチックが検出された魚は食べても安全ですか?
A:現時点では影響がはっきりせず、摂取量は毎日数百個に上るがほとんどが体外に排出されるとの研究結果もありますが、汚染源の削減が重要です。

Q3:個人の取り組みに限界を感じます。
A:多くの消費者がマイバッグ、マイボトルを使えば、量り売りの店や給水スポットが増え、社会全体のごみ削減が進みます。個人・企業・政府の連携が不可欠です。

まとめ

日本のマイクロプラスチック対策は、年間2.8万トンの海洋流入という現実を前に、官民一体の取り組みが求められています。プラスチック資源循環促進法の施行、企業の革新的な取り組み、そして市民一人ひとりの行動変容により、日本は世界のマイクロプラスチック対策をリードする立場にあります。今すぐ実践できる対策から始めて、持続可能な社会の実現に貢献しましょう。

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