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プラスチックごみ問題とは?個人・企業ができる対策も

プラスチックごみ問題とは?個人・企業ができる対策も

プラスチックごみ問題とは?個人・企業ができる対策も

プラスチックごみ問題は、もはや地球規模の環境危機として無視できない深刻な課題となっています。生態系への影響も深刻化、そして廃棄物処理能力の限界など、多岐にわたる問題が複雑に絡み合っています。本記事では、最新の統計データと法令動向を踏まえながら、個人から企業、社会全体まで、それぞれのレベルで実践できる具体的な対策方法を詳しく解説します。

プラスチックごみ問題の現状と背景

現代社会においてプラスチック製品は生活に欠かせない存在となった一方で、その大量消費と不適切な廃棄により環境問題を引き起こしています。特に海洋環境への影響は年々拡大しており、生態系全体に取り返しのつかない影響を与えています。

海洋プラスチック汚染の深刻度:最新統計データで見る影響

Ellen MacArthur Foundation(2016)は、「現状のままでは2050年に海洋中のプラスチック重量が魚の重量を上回る」と警鐘を鳴らしています。太平洋には”グレート・パシフィック・ガーベッジ・パッチ”と呼ばれる面積約1.6 百万km²(日本の国土面積の約4倍)におよぶプラスチック集積域が存在し、海鳥や海洋生物による誤食事例が急増しています。

発生源別ライフサイクル分析:家庭・産業・業務系プラスチック

廃棄物ベースの調査(Geyer et al., 2020)では、プラスチック廃棄物の約46%が容器包装由来と報告されています。ただし、家庭系/産業系/業務系といった区分での厳密な全球統計は限られており、地域や調査手法によってばらつきがあります。家庭系では容器包装類が最も多く、特にペットボトルとレジ袋が主要な発生源となっています。産業系では製造工程での端材や不良品、業務系では飲食店や小売店からの使い捨て容器が大きな比重を占めています。これらの廃棄物の多くは適切なリサイクルルートに乗らず、最終的に埋立地や海洋へと流出しているのが現状です。

(参照:Detection of microplastics in human tissues and organs: A scoping review|National Library of Medicine

法令・政策が促す国内の対策動向

日本政府は海洋プラスチック汚染という地球規模の課題に対して積極的な法整備を進めており、国際的なリーダーシップを発揮しています。特に2019年から段階的に実施されているアクションプランと2022年に施行された新法により、企業の取り組みを法的に後押しする体制が整備されています。

海洋プラスチックごみ対策アクションプラン(2019~)の狙いと成果

2019年5月に策定された「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」は、G20議長国として日本の率先的な姿勢を示し、国際的な議論をリードする目的で策定されました。このプランは「新たな汚染を生み出さない世界」の実現を目指し、8つの分野にわたる具体的な対策を体系化しています。プラスチックの有効利用を前提としつつ、海洋への新たな汚染を防ぐため、ごみの回収から適正処理の徹底、ポイ捨てや不法投棄の防止、既に流出したプラスチックごみの回収まで多角的に取り組んでいます。また、2023年G7広島サミットでは2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心に合意し、より積極的な取り組みを国際的に約束しています。

(参照:G7 Hiroshima Leaders’ Communiqué|G7 2023

プラスチック資源循環促進法(2022施行)の要点と企業への影響

2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法は、製品の設計から廃棄物の処理まで、プラスチックの商流全てにおける資源の循環等の取組を促進するための法律です。この法律の特徴は「3R+Renewable(再生可能資源への代替)」の基本原則に基づき、ライフサイクル全体を通じた資源循環の促進を図る点にあります。企業に対しては、特定プラスチック使用製品(レジ袋、フォーク、スプーンなど12品目)の使用合理化、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量や排出抑制・再資源化等に関する目標の達成状況の公表が求められています。現時点では努力義務であり罰則はありませんが、ESGの観点から企業イメージに大きく影響するため、積極的な活動が企業価値向上につながる重要な要素となっています。

企業事例で学ぶリデュース・リユース・リサイクル

企業規模を問わず、プラスチック削減への取り組みは待ったなしの課題となっています。大手企業では先進的な技術開発と大規模な投資により抜本的な改革を進める一方、中小企業では現場レベルでの工夫と段階的な取り組みにより着実な成果を上げています。

大手企業サントリーの代替素材開発とサプライチェーン改革

サントリーホールディングスは、2030年までにペットボトルの100%サステナブル化を目指す野心的な目標を掲げ、循環型社会の実現に向けた包括的な取り組みを展開しています。同社の「ボトルtoボトル」プロジェクトでは、使用済みペットボトルを水平リサイクルし、年間約4〜5億本相当(約7,000〜9,000トン)の再生PETを製造する水平リサイクルシステムを構築しました。この取り組みにより、原料となる石油由来プラスチックを大幅に削減しています。さらに植物由来原料を100%使用したペットボトルの研究開発も進めており、従来の石油依存から脱却する革新的な素材転換を実現しています。サプライチェーン全体での協力体制を築くことで、原料調達から製造、流通まで一貫した環境配慮型システムを確立している点が特筆されます。

中小企業の業務削減施策:現場での取り組みポイント

ある中小企業では、プラスチック製会員カードの代替としてバイオマス原料カード、ペットボトルをリサイクルしたエコカード、CO2排出量を削減したリサイクルカードの3種類を提供し、顧客企業のプラスチック削減を支援しています。この取り組みの成功要因は、既存システムとの互換性を保ちながら環境負荷を削減できる点にあります。導入企業は特別な設備投資や業務フローの変更を必要とせず、カードを置き換えるだけで環境配慮を実現できます。中小企業が取り組みやすい「スモールステップ」の考え方を実践し、段階的に推進することで、持続可能な事業モデルを構築しています。

個人レベルですぐできるプラスチックごみ対策

プラスチック問題の解決には、一人ひとりの日常的な行動変革が不可欠です。難しく考える必要はありません。身近なところから始められる小さな工夫の積み重ねが、大きな環境改善につながります。継続可能な取り組みを選択し、無理のない範囲で着実に実践していくことが重要です。

マイバッグ・マイボトル完全ガイド:選び方と活用術

マイバッグとマイボトルは、プラスチック削減の第一歩として最も効果的なアイテムです。マイバッグ選びでは、耐荷重性と折りたたみやすさを重視し、普段の買い物量に合った容量を選択することが継続使用のポイントです。コンパクトに収納できるナイロン製や、洗濯可能な帆布製など、ライフスタイルに応じた素材を選びましょう。マイボトルについては、保温性を重視するならステンレス製、軽量性を求めるならプラスチック製(長期使用でプラ削減効果を発揮)を選択します。容量は通勤・通学時間に応じて300ml〜500mlが適切で、口の広いタイプを選ぶと洗いやすく衛生的です。習慣化のコツは、バッグに常備することと、買い物前の「マイバッグチェック」を日課にすることです。

家庭での分別・回収率UPのコツ3ステップ

家庭でのプラスチック分別の精度向上は、リサイクル効率を大幅に改善します。第1ステップは「汚れ落とし」で、容器の中身を空にして軽く水洗いし、食べ残しや油分を除去することが重要です。第2ステップは「正確な分別」で、プラスチック製容器包装(プラマーク付き)とペットボトルを明確に区別し、キャップやラベルは材質別に分けます。リサイクル対象外のプラスチック(歯ブラシ、ハンガーなど)は燃えるごみとして処理することも大切です。第3ステップは「保管と排出」で、分別したプラスチックは風通しの良い場所で乾燥させ、回収日当日の朝に出すことで品質を保ちます。自治体の分別ルールを定期的に確認し、変更があった場合は速やかに対応することで、地域全体のリサイクル率向上に貢献できます。

マイクロプラスチック問題の対策:日常でできるゴミ削減ルーティン

マイクロプラスチックの発生源を理解し、日常生活での発生を抑制することが重要です。洗濯時の合成繊維からの流出対策として、洗濯ネットの使用や洗濯回数の最適化(まとめ洗い)が効果的です。化粧品や洗剤選びでは、マイクロビーズ不使用の製品を選択し、天然由来成分を含む商品を優先します。食品保存では、プラスチック容器の代わりにガラス容器や蜜蝋ラップを使用し、電子レンジでのプラスチック加熱を避けることでマイクロプラスチックの食品への移行を防げます。外出時には、使い捨てプラスチック製品(ストロー、カトラリー、容器)の使用を控え、携帯用の再利用可能なアイテムを持参します。これらの習慣を2〜3週間継続することで、自然と身につく日常ルーティンとして定着し、長期的なマイクロプラスチック削減効果を実現できます。

海外の先進事例比較と今後の展望

世界各国のプラスチック削減政策は急速に進化しており、それぞれの国情に応じた独自のアプローチが展開されています。先進的な施策から学ぶべき成功要因と課題を把握することで、より効果的な対策の方向性が見えてきます。また、技術革新により新たな代替素材の可能性も広がっています。

欧米のレジ袋・ストロー規制:成功要因と失敗事例

欧州では法的拘束力のある包括的なアプローチが特徴的で、EUは2021年7月から使い捨てプラスチック製品の流通を禁止し、加盟国に法的義務を課しています。アイルランドは2002年に世界初の消費者向けレジ袋税を導入し、1枚15ユーロセント(約21円)の課税により90%以上の使用量削減を達成しました。フランスでは2016年から生分解性でない使い捨てレジ袋を全面禁止し、違反店舗には最高10万ユーロの罰金を科す厳格な措置を講じています。成功要因は段階的導入と消費者教育の並行実施にあります。一方、米国では州ごとの規制により統一性に課題があり、カリフォルニア州など10州でレジ袋禁止法が制定されているものの、業界ロビー活動により頓挫した州も存在します。バングラデシュは2002年に世界初のレジ袋禁止国となりましたが、実効性の確保が困難で現在も大量のレジ袋が流通しており、法制度と執行体制の整備が不可欠であることを示しています。

(参照:G7 summit: 3 key takeaways for net zero action, nature and the circular economy|World Economic Forum

アジア主要国のプラスチック戦略:台湾・韓国・シンガポール

アジアでは計画的で野心的な目標設定が特徴的です。台湾政府は2019年に飲食店でのストロー提供禁止を開始し、2025年に追加料金を課す予定、最終的に2030年には一次使い捨てプラスチックを完全禁止するロードマップを設定しています。また、2023年には一部生分解性プラスチックも使い捨て食器の使用を禁止し、真の環境対策としてリユース促進に舵を切りました。韓国は2020年に包括的プラスチック削減政策を発表し、2030年に使い捨てビニール袋の全面禁止、2025年までにリサイクル率70%達成、100%バイオプラスチック素材への切り替えを目標としています。拡大生産者責任(EPR)制度により15種類のプラ製品をリサイクル義務対象に変更し、企業の責任を明確化しています。シンガポールは2019年の資源持続可能性法により包装材の使用量報告と3R計画書提出を義務化し、2027年から飲料容器のデポジット制度(10シンガポールセント)を導入予定です。アジア各国の成功要因は企業と政府の協力体制と段階的実施にありますが、執行体制の整備と消費者意識の向上が継続的な課題となっています。

生分解性プラスチックなど最新代替素材の可能性

生分解性プラスチック技術は急速に進歩していますが、適用条件の理解が重要です。現在実用化されている生分解性プラスチックは、微生物産生系(PHB、PHBH)、天然物系(PLA、澱粉系)、化学合成系(PBS、PBAT)の3つに分類されます。注目すべきは分解環境の違いで、PLA(ポリ乳酸)はコンポスト環境では分解されますが、土壌や海洋では分解されにくく、真の海洋生分解性を持つのはPHBHなど限定的な素材のみです。近年の技術革新により、使用時は従来プラスチック同様の強度を保ち、自然環境流出時のみ分解が促進される「分解開始機能付きプラスチック」の開発が進んでいます。しかし課題も多く、製造コストが従来プラスチックの2〜5倍、物性の安定性と生分解性のトレードオフ関係、リサイクルシステムへの影響などが挙げられます。最も有望な展望は用途別すみ分けの最適化で、耐久財は従来プラスチックの適切な回収・リサイクル、非耐久財で回収困難な用途(漁網、農業用マルチフィルム等)は生分解性プラスチック活用、という戦略的使い分けが現実的な解決策として期待されています。 世界のバイオプラスチック生産能力は2021年に約1.15 百万トン(うち48%が包装用途)に達し、環境配慮型の素材転換への期待が高まっています。

まとめ

プラスチックごみ問題の解決には、政策・企業・個人の連携が不可欠です。海外事例が示すように、明確な目標設定と段階的実施が成功の鍵となります。代替技術の活用と個人の行動変革により、持続可能な社会実現への道筋が見えてきます。

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